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私は鬼かあちゃん/金美齢 [時々読書]


金美齢の私は鬼かあちゃん

金美齢の私は鬼かあちゃん

  • 作者: 金 美麗
  • 出版社/メーカー: 黙出版
  • 発売日: 2001/11
  • メディア: 単行本



政治討論系やバラエティーでもお馴染み、金さんのエッセイです。
最近再ブレイクしている某毒舌芸人にシルバーウルフと渾名されていた、あの方です。

主に自分の子育てを通して、半生を振り返ってます。
タイトルのとおり、なかなか昭和の情緒漂う教育をされてこられたようです。
むしろ、平成のご時勢にはなかなか新鮮な感じもします。過敏な人は一部、虐待を叫ぶかもしれませんが、私的にはそうは思いませんでした。

例えば当時中学生だった息子に、テレビゲームは一切禁止を約束させるエピソードの下りなど、結構共感しました。

約束したけど、どうしても我慢できないお年頃です。
ついつい親に隠れて近所の人達とゲームで遊んでしまう息子ちゃん。
それをたまたまバッタリ、外出から戻ってきた鬼かあちゃんに見つかってしまいます。
実は息子ちゃん、以前もついついゲームをしてしまい、その時もこっぴどく叱られてしまいましたが、それでも我慢できなかったんですね。
で、鬼かあちゃんその場で近所の人達も見ている目の前で、息子ちゃんに平手を一発見舞うわけです。息子ちゃんは言葉もなく、そのまま家に帰ります。
ショッキングな現場に居合わせてしまった近所の人達、ついつい「息子ちゃんの自尊心が傷つきますよ、何も人前でぶたなくても……」と息子ちゃんを庇おうとしますが、鬼かあちゃんは一言の元に切り捨てます。

自尊心があるなら、自分で約束した事を破ったりしない。息子は自分で自分の自尊心を傷付けた。

こういう厳しい一面があるかと思えば、擬似アルバイト(要するにお小遣いをあげるための一種の作戦)に作文を提出させて一枚いくらで鬼かあちゃんが原稿を買い上げるエピソードの中で、お小遣いを沢山ほしいあまり当時小学生の息子ちゃんが思いつくままに書き綴った長編創作物を、ついついいい値段で買い上げてしまうような甘い一面を見せる事もあるわけです。
何だか微笑ましい限りです。
ついでに、お姉ちゃんは何が何でも稼ぐというよりは、お金が入用な時にだけ作文を提出し、お金がない時はないで結構というある意味エコで淡白な思考の持ち主だったもよう。姉弟でも違うものですねえ。

子供ができる前は、子供嫌いな上、キャリア志向だった金さんは、子育てと仕事を両立させるスーパーウーマンを目指して奮闘しているうちに、いつの間にか子煩悩だが厳しい鬼かあちゃんに変身してしまっていたというお話しです。

ご本人が日本での長い亡命生活の中、沢山苦労してこられた分、人種差別などに端を発するイジメや苦労には一切妥協を許さないストイックさも何だか納得です。
なかなか面白く、さらさらと読める本でした。

少なくとも、この人、ブレないですよ。どこぞの太郎君とは違って。


2009-06-17 11:27  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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