ルート66をゆく アメリカの「保守」を訪ねて/松尾理也 [時々読書]
ルート66といえば、ディズニー映画「カーズ」でも題材にされた、アメリカの国道で、
アメリカンドリームの象徴みたいな感じで、
一度は走りたい憧れの道、
走れば何故か、どことなくメランコリックに浸れる道、
みたいな漠然としたイメージしか持っていなかったのですが、
この本では、アメリカ保守派を繋ぐ、象徴的なルートとして広い合衆国を横断していきます。
旅行や紀行というよりは、保守の歴史を一つ一つ垣間見ていく感じです。
そして、ノーテンキな私にとっては意外だったのは、この一節です。
ルート66は「母なる道」だ。「母なる道」とは何か。
広大で人間を寄せ付けない荒野に点在して住み、身を切られるような寂しさを抱えた人々が回帰する場所の事である。(中略)
ルート66は逃亡する人々の道だ。
土埃に覆われた荒廃する土地から、咆哮するトラクターと縮小する所有権から、北へ向かってゆっくりと侵攻してくる砂漠から、逃げ出してきた難民たちの道だ。
の下りです。
多民族の大国家が抱えるシビアな歴史と現状を、垣間見られるような一文です。
2010-09-22 00:00
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