世界青春放浪記 僕が11カ国語を話す理由/ピーター・フランクル [時々読書]
数学者、ピーター・フランクルの半生を振り返ったエッセイです。
元々ハンガリー人だった著者が、当時共産主義真っ只中だったハンガリーから亡命という選択をした過程を、
青春ど真ん中だった若気の至り(?)と織り交ぜて綴られています。
サブタイトルにあるとおり、11カ国語を話すまでに至った経緯は、それなりに過酷だったようです。
話すというよりは、話せなければ生きていけないという情況だったように思います。
ただ、自分らしく自由に生きたい。
誰でも自然と思う事ですし、本当に民主的な国であれば守られている権利ですが、
世の中そうも言っていられない時代、風潮というものは存在するものです。
そんな空気が若かりし著者には耐えられなかったのではないでしょうか。
家族を残して思い切って亡命したのは、若さ故だと思いますが……。
それと改めて思う事は、
ハンガリー人はとっても理屈っぽい人が多い……ような気がします。
良いように捉えれば、それは学者気質な人が多いと言えますし、
方や妙に頑固で偏屈と捉える事も出来るような気がします。
普段あんまり身近に感じないハンガリーという国ですが、一個人の視点を通してシビアな現実を垣間見る事が出来る本です。
2010-10-12 00:00
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