サラ金嬢のないしょ話/小田若菜 [時々読書]
「サラ金」のイメージと、何だか軽いタッチのカバーと文体が気になって手に取った本です。
実際に消費者金融で働いていた作者の、等身大の視点で描かれたサラ金の実態を綴っています。
接客や電話対応、ティッシュ配りに至るまで、
業務内容から、女性多数の職場ならではの噂話などなど、
内側から見た消費者金融を垣間見れます。
文章も軽いタッチの読みやすい本なので、小一時間ほどで読破できると思います。
困ったお客さんの傾向やら、
銀行や闇金との相違について書いてあったり、
果ては制服や、カードのデザインのコダワリを比較してみたり、
業界的に見た、ティッシュ配りの上手い下手など、
一方では、
自己破産や法的措置のメリット・デメリット、勘違いについて意見があったり、
払いすぎた利息なるカラクリは、どうして起こるのかとか、
一見高い月ごとの返済利息は、どういう計算で算出されているのか、とか。
ある意味では法律ギリギリの、
完済させない業界の融資テクとか、
ええ~、そんな事しとるんかい。
みたいな事が、あるとか、ないとか。
雑学として読むには、それなりに面白い本でした。
一言、確実にいえる事は、
どんな理由であれ、借金なんてするもんじゃない。
って事ですね。
タグ:エッセイ
世界をかえるオシゴト 社会企業家になったふたりの女の子の感動物語/マリー・ソー キャロル・チャウ
世界を変えるオシゴト 社会起業家になったふたりの女の子の感動物語 (講談社BIZ)
- 作者: マリー・ソー
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/05/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
以前働いていた職場で、時々、自分が今携わっている仕事の意味、あるいは意義は何だろうか……と思う事がありました。
お客さんに喜んでもらいたい。
社会の役に立ちたい。
色々あると思います。
その中で、売上を上げろ、もっと働けと連呼される日々が多くなってきました。
毎日残業2時間以上なんて、当たり前。
人件費を削減するために、最初の契約どおり働きたいと訴えるパートさんやアルバイトさんの出勤日を削り、その分固定給社員が遅くまで働く職場でした。(ん? 残業代? ビタ一文出ませんでした)
コマメな節水や節電を徹底させる一方で、
今本当に必要なのだろうかという、大々的な店舗改装や新機材の導入を半年スパンで繰り返す……
最初は、お客様満足とか、従業員満足を重視していたはずが、
いつの間にか、
「儲ける」という言葉を頻繁に口にするようになった社長を見ていて、
何か違う気がする……。
と漠然と考えるようになっていました。
一度、そんな事を考えてしまうと、今自分がしている仕事はお客様満足やお役立ちの精神よりも、
いかに儲けるかを重要視しているのか、と腑に落ちないでモヤモヤするようになりました。
そんな時に読み始めた本です。
若干20代の女性二人が、中国の貧困地域で生活に困っている少数民族のために、 僅か二年ほどで、所謂フェアトレードの会社を立ち上げて、社会貢献に悪戦苦闘、東奔西走するドキュメンタリーです。
正直、二人のバイタリティーに圧倒されました。
ただ、本を読んでいるだけなのに、です。
時には謂れの無い差別や偏見を受けながらも、決して諦めない行動力と信念に脱帽です。
生き方が、熱いです。
名門ハーバードを卒業したら、
マンハッタンのオフィス街で、キャリアをバリバリ積んで裕福な生活を送る選択肢だってあるにも拘らず、
実際に同期生たちは、大半がその人生を選択したにも拘らず、
ただ、貧困層を助けたい。
という一心でゼロからのスタートを切った決断は、凄いと思いました。
同時に、他人のために一生懸命になればなるほど、
自然と人は集まって、助けてくれるのだと、読んでいて思いました。
それくらい、一生懸命になれる仕事、
自分も絶対見つけたい。
そう思わせてくれる一冊でした。
ヨーロッパの不思議な町/巌谷国士 [時々読書]
細々と読書です。
タイトルが気になって読み始めました。
作者が探訪したヨーロッパの印象に残った町の紀行でした。
(不思議っていうから、てっきり怪奇的な方面かと思ってドキドキしたのですが・笑)
文章としては少々硬めですが、
作者の目にした情景が目に浮かぶようで、行った事ない国々の町並みを一緒に見ているような、そんな気分になる本でした。
写真も随所に織り交ぜてあるので、より一層想像しやすいと思います。
私も行きたくなる、そんな本でした。
3つに分けて人生がうまくいくイギリスの習慣/井形慶子 [時々読書]
久々の更新です。
読書は細々と続けていましたが、更新する気が全く起きなかったというモノグサです。
私事ですが、9月から新しい職に就くことになりました。
前職がとにかく忙しくて、二ヶ月程前からは、ほとんど寝ない日々が続きました。
私にとって仕事って、人生の中でどれくらいのウェイトを占めているのだろう……
職場では、人生の大半だと連呼されます。
確かに、ある意味においては、その通りだと思います。
その、大半を占める仕事に、一ヶ月の公休6日も結局とられてしまい、
趣味だった個人のホームページの更新も停滞しがちになりました。
友達と遊ぶ日も削れてしまったり、
好きだった太極拳や、コーラスも休み続ける日が当たり前になりました。
そのまま、気が付くと一年経過していました。
四六時中、いつの間にか仕事まみれになっていました。
何か疲れたな~。
そんな事を考えるようになった時に、たまたま手に取った本でした。
仕事は人生の大半を占めているかもしれないけれど、
この本を読んでいると、
同じくらいプライベートも充実させる人達の姿が生き生きと、沢山紹介されています。
仕事人としての自分。
生活者(家庭人)としての自分。
そして、
個人としての自分。
三つに分けると精神的にも随分と楽になるんだな、という事を改めて感じました。
ちょっと、疲れたな。
そう感じている渦中の人に、一読してもらえたら嬉しいな。という本です。
素直な心になるために/松下幸之助 [時々読書]
松下哲学の原点がここに。
なんてオビを付けられてあって、ふらふらと手にとって読み始めました。
経済や経営の話になると、必ずと言って良いほど名前が挙がるし、さすがに私も知っていますが、正直書籍を読んだことはありませんでした。
一度は読めと勧められることも多かったので、折角なので読んでみました。
文庫本だし、分かりやすくて読みやすい文体だったので、結構すらすらと読むことができました。
単純に素直って何と言われても、正直私には的確に答えられません。
素直=なんかよい事。
それくらいの認識しか持っていなかったし、深く考えた事もなかったと改めて思いました。
松下幸之助氏にとっての素直というのは、
――素直な心とは、物事の実相を見誤ることなく、強く正しく聡明な人生の歩みを可能にする心――。
をさしています。
強く正しく聡明な人生……歩みたいです、ぜひとも。
明日から始められる「十か条」を章ごとに追いながら、明日から始めようと前向きになれる本でした。
毎日何か一つでも、良い学びと喜びがありますように。
そう思えました。
超一流主義/斎藤澪奈子 [時々読書]
ちょっと古い本ですが、表紙のバブリーな派手派手しさに目がいって、ついつい読み始めました。
作者節炸裂の歯に衣着せぬ毒舌が文字の大小を織り交ぜて、自由奔放に綴られています。
そういった意味で少し読みにくさを感じた文章ではありますが、そういうのをとっぱらって内容を掻い摘むと作者の主張は実に明解です。
超一流といわれる人は、物事を捉える根底にポジティブシンキングがあり、
それゆえに幸せな生活を送っている今がある。
という感じです。
確かに、何事も前向きに捉えない事には何も始まらないと思います。
その前向きな気持ちを支えるのは、何事にも囚われない素直な心だと思います。
とりあえず、明日から何事もポジティブに捉えようと思います。
イギリス不思議な幽霊屋敷/桐生操 [時々読書]
イギリス人は幽霊大好き、オバケフリーク……そんなイメージを持っている私ですが、果たしてこの本を読んでどう反応してくれるかな、というところが気になってみたりします。
ただ、ここってオバケ出るんだよ、こわ~いっていう話ならいいのですが、
ようするに、登場する幽霊屋敷にまつわる頓死事件を沢山手短に取り上げてまとめました、という本です。
歴史的な背景も紹介されているので、実しやか、という表現がしっくりくるかもです。
数百年以上も前からある噂話から、1990年代のごくごく最近の話まで、幅広く短い章にまとめられています。
この本を読んでスポット巡りをしたいという気持ちにならないあたり、私はやっぱり日本人だと思います。
チキンハート万歳です。
でもでも、この人の出してる本で他にもちょっと読んでみたいな……と思ったのがあるあたり、私は立派にバカだと思います(T▽T) うわーい。
平林都の接遇道/平林都 [時々読書]
久々に更新再開です。
今回は、テレビでも話題の平林都さんの本を読んでみました。
以前つけっぱなしだったテレビで偶然拝見して、そのパワフルさに圧倒されてから気になっていた本です。
SMAPの香取くんがモノマネしているモデルってこの人だったんですね。
知らなかったので今までコントはスルーしていたのですが、なるほど確かに特徴は掴んでいたわけですね。
接遇というのが、ようするにお客様に満足いただけるおもてなしの事をさしているのはよく分かりました。
(この言葉を造語だと思っていた自分が恥ずかしいです……><;)
書かれてある事は、よくよく考えると当たり前の事ばかりなのですが、問題はそれがちゃんと出来ていない人が多いという点なんだな、と思わずわが身を振り返りました。
分かるよ、分かってるよ。
でも、できてないんです。
というのが、一番性質が悪いんです……ずずーん。
職場での態度に限らず、明日から気をつけようと思いました。
いい出会いが、豊かな人生を運んでくる(斎藤茂太) [時々読書]
小一時間もあれば読める本です。
人から好かれたい、良い人に見られたい。
そこまで欲は無くても、せめて対人トラブルなんかに巻き込まれたくない。平穏無事がいい。
そんな事を考えながら、日々通勤通学している方は多いんじゃないでしょうか。
私もそうです(笑)
何であの人といつも意見がぶつかるのかな。
上司に睨まれるのかな。
そんな事を考えて憂鬱になる事も結構あったりします。
そういうモヤモヤした気持ちを少しばっかり楽にしてくれる……かもしれない本です。
視点を変えれば、見えてくる事って結構あるんですね。
この本では、冒頭で早速作者のお勧めする「いい出会いのヒント」が列挙されています。
(1)褒め上手
(2)叱り上手
(3)話し上手よりも聞き上手
(4)成し遂げるなら大きな欲望よりも小さな欲望を
(5)約束は守ろう
(6)素直になろう
(7)感謝しよう
(8)失敗に負けない
(9)遊び心を持とう
(10)リラックスしよう
上記を心がければ、こうなるよ。という事例なんかを沢山紹介しています。
よくよく考えると基本的な事ばかりなんですが、こうやって改めて活字にすると出来ていない自分なんだな〜と気が付いたりします。
自分を振り返って、周囲を見渡して……そんな時間が欲しくなる時に、ふっと読みたくなる本でした。
吟醸の国イギリス/北村汎 [時々読書]
元駐英大使が体験談を元に書いた英国随想録です。
要するに、外交官やら駐在大使の裏話をまとめたぶっちゃけ本ですね。
外交官や大使が一体どんなお仕事をしているのかって話です。
基本、諸外国の大使やらお偉方への接待や、各地での講演会が中心のようです。
講演会やスピーチといっても、ただ原稿を読むのではなく、語学力と語彙力と知識力がないと大変のようですよ。その土地の人にがっちりウケるスピーチとやらは、なかなかに大変のようです。
私のような庶民には、まあまず垣間見る事なんて出来ない世界なわけでして、そういう意味では非常に面白い本でした。
エリザベス女王の旦那様エディンバラ公とのウィットに富んだ会話だとか、晩餐会で出されるワインや料理に対するウンチクだとか、半ば自慢話かい……(笑)と思わなくもないですが、それなりに豆知識として読むには楽しかったです。多分、この著者は、ちゃんとお仕事していた方なんじゃないかなと思わなくもないです。
何分、私達が日頃従事している仕事とは、あまりにも内容が異なるのでどう判断してよいのやらって感じなんですが、少なくとも著者の応対を諸外国のお偉方はそれなりに評価していたみたいですよ、著者曰くですけど。
とはいえ、この著者以後の駐英大使が果たして同じ事をしているのか、甚だ疑問ですが。
旅行にしろ駐在するにしろ、民間の一般日本人に対する英国日本大使館のやる気のなさ……というか扱いの酷さは有名ですからね。
まだ並んで待ってる人がいるのに、午後五時を過ぎたからって窓口閉めて、「明日来い」なんて平気で言ってみたり(五時前から並んで待ってた人達くらい、その日のうちに面倒見てくださいね)、年末年始の犯罪多発シーズンに完全に大使館締め切ってますからね(その間被害にあった日本人は泣き寝入りかい? そりゃないぜ、ベイベー)。
まあ、私的には朝夕の通勤途中にでも読むのが宜しい本かと思います。