オランダ式節約セラピー/オーツ キョーコ [時々読書]
オランダ人はケチ。
世間一般的なオランダ人のイメージですが、
それを生活術(=節約)と捉えた場合、どれ程ストイックに日々実行しているのか。
生活者の視点から、簡単に列挙されています。
ズボンの膝のスリキレは、お尻のポケットで繕う。
ポケットを使い切ってしまってピンチ!
お父さんのズボンのポケットを使ったらいい! というオバちゃんたちの井戸端会議。
ナイスアイディアと、採用してしまうストイック加減。
お鍋は親子4世代に渡って使い続ける物持ちのよさ。
ボロボロの革サンダルを、10年間履き続ける事も、普通(It's normal)。
列には並ばないけれど、順番は厳守するのが、普通(It's normal)。
律儀に列に並んだ人が、次に進もうとすると、
その場にいる全員が一斉に「待った」をかけるのが、普通(It's normal)。
買い替え品を、定価で買って、口論に発展する流れも普通(It's normal)。
旅行先では、「オランダから来た」というだけで、
店主は全く商売っ気をなくして見向きもしなくなるという。
(見るだけで買わない=オランダ人という認識ができているらしい)
何でもかんでも、「普通(It's normal)」精神で貫く大らかな人種のようです。
オランダ人という人種は。
そうかと思えば、マンホールから水が噴出しても(下水管破裂?)、これもまた普通(It's normal)。
カフェでお勘定したくても、店員さんが大忙しでなかなかお会計してもらえず、
テーブルに代金放置して席を立つのも普通(It's normal)。
でも、そんな放置金を、ドサクサに紛れて泥棒する人は、アブノーマル。
あ、そこはそうなんだ(笑)
普通(It's normal)じゃないんだ。
最高に笑える人生/曽野綾子 [時々読書]
文庫本のオビに、毒舌エッセイと書かれてありました。
笑えてきませんか、世の中あまりに可笑しくて。
そう書いてあって、トップカバーとのギャップがあります(笑)
医療現場や、やたらお金のかかる選挙制度等、数々の矛盾点を率直に列挙しています。
国内だけでなく、その視線の先は世界にも向けられています。
著者本人がクリスチャンであることから、
一般人よりも縁あって、様々な海外の貧困地域や紛争地域の、様々な差別社会を目の当たりにし、
その国に生きる人たちの、日本人には考えられないシビアな現実が、そこにはあります。
差別を受けている人たちが、更に自分たちの中でも更なる差別を生むという現実等についても、
正に率直です。
日本の常識は世界の非常識、などという人もいますが、
一般的に考えうる非常識という枠を、完全にぶっ飛んだ非常識が、
世界中に、実は溢れかえっています。
要は、それに気が付くかどうか。
そういう事じゃないでしょうか。
読んでみるまで、考えもしなかったような、メディアからは殆ど入ってこない現場の姿が、
この本からは垣間見る事ができます。
中国人の世界乗っ取り計画/河添恵子 [時々読書]
再び、河添恵子さんの本です。
相変わらず、熱いです、語り口が(笑)
今やグローバリゼーションが声高に叫ばれる時代です。
世界のあちこちに現地中国人のコミュニティーが膨れ上がっています。
そんな彼らの、国外脱出方法(留学から不法滞在まで)や、
永住権や市民権を得て、そこから何をしていくか。
はたまた、世界各国の産業や自然資源まで、独占的に買い漁る動機等々、
そして、実際に何が起こっているのか、問題視されているのか。
この一冊だけを読むと、はっきりいって中国が嫌いになります(笑)
「大陸棚が続いている範囲は全て中国の領土ならびに海域」発言だとか、
国境警備隊が、ジワジワとブータンの国境を既に18km侵略(現在進行形)して、
山岳の少数民族が放牧している家畜(ヤク)を勝手に取って食って、
現地民族が生活に困って逃げるしかない情況に追いやって、
更にジワジワ国境線を侵す現状を、そ知らぬ振りで正当化できる神経とか、
メディアでも度々取り上げられる国際法を無視した言動の謎が、ある意味解けます。
強烈です。
ガラスの天使/スーザン・ヒル(水の水生 訳) [時々読書]
ハードカバーの小さな短編でした。
ところどころ、版画の挿絵が挟まれていて、各章ごとのデザインがちょっと素敵な本でした。
時代背景は、第二次世界大戦直後のイギリスが舞台で、
父親を戦争でなくした少女と、その母親の、あるクリスマス前の日常が物語になっています。
貧乏に直面して、苦労の多い生活を、まだ小さな主人公の視点から見ています。
何かのきっかけさえあれば、
それが明日の生活に直結するような緊迫感を伴っていれば余計に、
人は僅か数日のうちに、驚く程成長します。
今までの特に精神面での親子関係が、そっくりひっくり返ってしまうほどです。
この本は、現実的な解決や、ハッピーエンドには言及していません。
ただあるのは、何の変哲も無いささやかな明日への希望だけなのです。
ちいさなちいさな王様/アクセル・ハッケ(那須田淳/木本栄 共訳) [時々読書]
何とも不思議なお話でした。
挿絵もところどころあるのですが、むしろ絵画です。
奥行きと質感のある絵に、妙に惹かれます。
決して可愛いかんじの王様ではないのですが(トップカバーの絵の通り)、
読み進めると、妙に可愛く思えてくるから不思議です。
完全に中年を超えたオッサンなのに(笑)
尊大で横柄なようで、実はとってもハートフルでお茶目な王様です。
親指王様です、はい。
ストーリーとしては、「ニワトリが先か、卵が先か」状態です。
始めは小さくて、成長するごとに大きくなる現実の人たち。
一方王様は、始めから大きくて、成長するごとに段々と小さくなって、
人生の最後は見えなくなって消えてしまいます。
大きくなる事で、蓄えるものと、
小さくなる事で、見えてくるものがあるんだな、と思いながら読めます。
果たしてどちらが幸せなのか?
それは人それぞれの感じ方次第なのだという事みたいです。
イギリス式収納/井形慶子 [時々読書]
イギリス式収納―小さな空間で見せる!片づく! (だいわ文庫)
- 作者: 井形 慶子
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2006/11/10
- メディア: 文庫
暇つぶしに読んだ本です。
見せながら収納、
オシャレに収納、
片付けるコツ、
レトロな棚も、食器も、重厚な感じの本棚も、大好きな私の憧れでもあります。
いいなぁ、こんな空間に住みたい……。
本のサブタイトルにもなっている、
小さな空間で
見せる!
片付く!
と言うわけで、片手間に読んだのですが、読み終わってから自分の部屋の片づけを始めました。
そこで、気付いたのは、
まずは、溢れかえった物を処分して仕分けする事でした。
イギリス風住居を目指すには、まだまだ先が長いです。
本にも書いてありました。
ワードローブは、クローゼットに入る分だけにして、それ以上は持たない。
基本ですよね……ちーん。
器用に生きられない人たち「心の病」克服のレシピ/斉藤弘子 [時々読書]
器用に生きられない人たち―「心の病」克服のレシピ (中公新書ラクレ)
- 作者: 斉藤 弘子
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2005/01
- メディア: 新書
総ページ数230程の薄い本です。
休みの日にぱらっと読めるので、時間をもてあました時などにオススメです。
○○依存症とか、
△△症候群と呼ばれる現代社会の問題にもなっている諸症状を、
個人の諸症状を多数事例として取り上げながら、社会的な背景を見ていきます。
その中で、「気付き」と「生き直し(克服?)」の方法を幾つか取り上げています。
近年メディアにも多数登場した症状名が多いので、
読めば誰でも当てはまる(=病気といえる)本です(笑)
うわっ、これ私の事じゃん! って笑い飛ばせたら、それもよしですが、
中には、ただ漠然と悩んでいる人もいるかもしれません。
そんな人が、「あ、もしかして……」と思って、
自分の抱えている問題の根源を探るきっかけになるのも、またよしだと思います。
数多くの事例を、さらっと列挙しているので、
読んでいて深刻に落ち込むことは……ないと思うのですが。
貿易実務の英語 ビジネス英文メールパーフェクトブック/杉山晴信 [時々読書]
お仕事で必要になったので、一先ず購入してみた本です。
毎日一度、流し読みしながら一日の復習をしています。
横書きの本ですが、比較的読みやすいです。
ただ、意外と分厚いので、片手でパラパラ読む事は困難でした(笑)
今まで、お仕事で英文打った事なかったので、所謂ビジネスレターとかメールとか、
いざ打とうとしても、やっぱり最初は何を打ったら良いのか分からないんですよね。
で、自分でもちゃんと勉強しようと思って。
必要になるのは、やっぱり国語力だという事を痛感しています。
あとは実務なので、勿論各書類が何なのかもしっかり理解していないと話になりません。
他にもオススメの本があれば、ぜひぜひ教えてください。
パリ近郊の小さな旅/吉村葉子 [時々読書]
パリ近郊の小さな旅―イル・ド・フランスの魅惑 (講談社文庫)
- 作者: 吉村 葉子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2000/09
- メディア: 文庫
文庫本で小旅行気分が味わえる本です。
パリではなく、パリ近郊。
知っていそうで、意外と知らないフランスの姿を垣間見ながら、あちこちの町を巡ります。
町並みから始まって、歴史的な建造物に目がいき(そもそも建物はどれもそうですが)、
そこに暮らす人々の日常風景に目が止まり、
さらにはそこから、歴史的な背景を振り返り、各時代を生きた人々に思いを馳せる。
沢山掲載されている写真も、綺麗なカラーで、
見た目にも鮮やかで楽しいです。
そんなわけで、あっという間に読める本です。
片手間にでも、是非一度手にとって見てみてください。
中国人とは愛を語れない!/河添恵子 [時々読書]
中国に留学経験もある作者の、通訳者として関わってきた中国の姿を綴った本です。
タイトルのインパクトに押されて、読み始めました。(イラストも、インパクト強いですね)
昨今問題視され続けている「食の安全」や、
空前のバブル期と言われている中国経済についての作者なりの会見や、
壮絶なお受験戦争に晒されている、裕福層の子供たちの学校や家庭生活について、
更には、
そもそもの中国人の持つキャラクターとは、どういったものか、とか。
中国の歴史とは、そもそもどういう動きの繰り返しであったのか、とか。
個人目線から、民族性や歴史的背景に至るまで、
読みやすく理解しやすい文体で綴られています。
世間一般で取り沙汰されている中国とは、また少し違った印象を受けると思います。
テレビニュースに取り上げられる中国も、ほんの一面。
この本に書かれている中国も、やはりほんの一面。
そういう一面を沢山繋ぎ合わせて、多角的に理解していこうとする材料にはなると思います。
ただ、いえる事があるとすれば、
中国人と日本人は、そもそも考え方が違います。
という事でしょうか。